朱童夜魔斗 35th Anniversary Birthday Special Celebration GIG BOOWY, COMPLEX and MORE!!! 20170513 01
僕の35歳の最初の朝は、いつもと変わらぬペースで始まった。いつもと変わらぬ手つきでパソコンを起動し、DAILY YOMIURIで英語のニュースをチェックし、公園のいつもと変わらぬ道を、いつもと変わらぬ歩幅で歩いた。いつもと変わらぬはずの景色や風、太陽の光が、いつもとは違って感じられた。
追憶...。
10代は春の風のように過ぎた。
小学生の頃。北海道の自然に満ちた環境の中、友達と山で遊び、川で泳いだ。
夕焼け燃える田んぼ道を自転車で全力で駆けたものだ。
勉強はあまり好きではなかったが、運動会では応援団長に選ばれた。
小さな恋もした。
ピアノを弾くのが好きだった。
14歳でロックンロールに恋をした。
クラスには誰一人として好きな音楽が共通する友達はいなかった。
高校生になると酒は飲んだがタバコは吸わず、不良にもならなかった(?)
アメリカでピアノを披露した。
人生初の海外公演となった。
演奏した曲は長渕剛・乾杯だった。
皆で歌い、一生の思い出になった。
20代は試練の時代。
勉強をサボってきた分、死に物狂いで勉強に追われた。
こんなことも知らない自分が情けなくなった。
今でこそ完璧にマスターした関係代名詞や、仮定法過去完了・現在完了進行形という言葉に苦戦した。
毎日8時間勉強した。体を壊し、目が腫れたがやめなかった。
音楽への恋もやまなかった。
海外へ行くことにためらいを感じなくなってきた。
音楽がパスポートのようになってきた。
パスポートがスタンプで埋まるほど旅行をした。
スーツが好きになった。
シンプルな生き方もいいな、と考えるようになった。
毎朝、いつもの公園のいつもと変わらぬ道を、
いつもと変わらぬ歩幅で歩くのが日課となった。
真夜中の静寂より、朝の太陽が好きになった。
二十歳になった日のことを鮮明に覚えている。
しかしあの頃はまだ、大人になったというのは形だけだった。
穏やかな気持ちで迎えた30歳の朝。
あの日も今日と同じ30歳の誕生日ライブを同じ会場で行った。
35歳の誕生日のLIVEに来てくれたオーディエンスはほぼ全員総入れ替えとなった。
結婚した人。
札幌を離れた人。
転職した人。
転勤した人。
上京した人。
皆、人生色々だ。
和朝食を食べ、散歩に出かける。
ストレッチマットを広げ、時間をかけて全身をストレッチした後、軽くトレーニングをし筋肉に意識を繋げる。
リハーサルのステージで愛すべきバンドと握手を交わす。
微笑み合いながら音を重ねる。
誰もいないホールにロックンロールが鳴り響く。
照明やカメラがその音を追う。
準備が整い、メイクをしながら開演時間を待つ。
ショウが始まる。
僕は心の奥で叫んだ。
「俺に関わってきてくれたみんな、ありがとう」
と。
奇しくも僕の誕生日ライブは母の日の前日となった。
その後、大切な仲間たちとのパーティーは夜更けまで続いた。
物凄い光景だった。僕の35年間の出会いが凝縮された濃密なパーティー。
こんなに大盛況になるなんて本当に僕は幸せな男だ。
みんなの笑顔が最高の誕生日プレゼントとなった。
35歳の誕生日の二次会でこんなに盛り上がっちゃったら、自分の結婚式の時のパーティがこんなに盛り上がるか不安になってきた。
この夜は『恋をとめないで』の中で
「誕生日の夜だぜ! 連れ出してやるぜ」
と、歌った通りに皆が集まってくれた。
翌日、親友から受け取った手紙を読み、胸がいっぱいになった。
今日は大和ライブ。
5月13日
とつぜんのドラム…ドキドキ
プロ2人 そして大和くん
ステキな機会をありがとう
今日はがんばろー
5月14日 35さい。
飲み会はまかせろ
Happy Birthday
素晴らしいスタッフやバンドメンバー、そして素晴らしい友人の皆さんの祝福と共に迎えた35歳。
我ながら本当に幸せな男だと思う。
皆様、本当にありがとうございました。
そしてこの人生の節目の年に、
自分らしくいられたことを誇りに思うと同時に、
いつまでも夢を追いかける少年の瞳を忘れずに、カッコいい大人を目指し精進したい。
人生、まだまだこれからだ!